終活支援・永代供養のご相談なら淡路島 洲本市の寺院
高野山真言宗 西泉寺
〒656-1326 兵庫県洲本市五色町鮎原下693-1
淡路四国八十八カ所霊場 第43番札所 本尊 大日如来
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ご先祖さまのお墓を閉じる墓じまいでは、取り出したお骨の取扱が最も大きな課題です。
埋葬されているお骨が一霊や二霊であれば供養も手厚く出来ますが、古くから続くお墓や夫婦墓が数基も並んでいるようなお墓であれば、取り出すお骨も多くなり、墓じまいで出て来る多くのお骨の取扱に困ることでしょう。
ここでは、墓じまいで出てきた古いご先祖さまのお骨について、最良の対処法を費用の目安とともにお示しします。
納骨方法は、「お骨は土に還すもの」という考え方のもとに、骨壺からさらしや綿の布で作った袋に移し替えて、カロート(納骨室)の中の土の部分に安置するのが一般的です。ところが困ったことに、最近では火葬されたお骨は簡単に土へ還ることはないという話しも聞きます。なぜなのでしょうか。
火葬場の火葬炉の温度は、ダイオキシンなどの有害物質が発生しにくいよう、800度以上にするよう定められているそうで、このような高温で焼骨されたお骨は、表面がセラミック化します。こうして焼骨されたお骨は、リン酸カルシウムという主成分で形成されており、分解されにくい性質があるそうです。
ただし、土に還る期間はお墓のある土壌の性質によって左右されるようで、お骨の主成分はカルシウムなので、酸性の土壌の方が分解されやすく、土に還る期間は短くなります。
科学的な話しでは、最近になってお骨は土に還らないと言われるかも知れません。しかしこれまではずっと「土に還るもの」と思われてきたわけで、私たちの経験上、実際にお墓を開けた時にはお骨が原形を留めていない、無くなっていることがほとんどです。
お骨を土に還すという納骨方法は、人間誰しもが大地の自然から生まれてきたわけですから、感謝の気持ちとして土に還してあげたいという輪廻転生の想いのもとに、科学的根拠云々という理屈ではなく「土に還ったとみなす」という考え方で良いと思います。
いざ墓じまいを進めてみると、多くのお骨が出てくることがあります。古くから続くお墓や夫婦墓が数基も並んでいるようなお墓であれば、当然、取り出すお骨も多くなります。しかし古いお骨であったとしても、本来は行政手続きなく勝手に移したり、そのまま放置したり、想像したくもないですがゴミとして”処分”することは法に触れることになります。決して安易な考えは持たないでください。
いわゆる業者と呼ばれる類のサイトを拝見すると、頻繁に”処分”というゴミ同様の表現が使われていますが、お骨は”処分”するものでは決してありません。
自然葬とは従来のお墓に埋葬する行為をせず、直接的に自然に還そうとして行う方法を指しているそうです。多くの場合、海や山などにお骨を撒くことで、故人を自然へ戻そうという考えの基で行われています。
もともと自然葬は、お骨を粉砕してパウダー状にしたものを撒くことを指していましたが、骨壺を使わずに直接土の中に遺骨を埋葬する方法も、いつしか自然葬と呼ばれるようになりました。
今では墓石ではなく樹木や草花を墓標とする「樹木葬」と、遺骨を自然に散布する「散骨」の2種類に大分されます。
樹木葬では、人工物を墓標に置かず、遺骨も時間の経過とともに自然に還るため、最終的には何も残りません。そのため、お墓の掃除や供花、線香なども不要です。墓地の管理には、契約者が支払った環境管理費が使用されます。
樹木葬は宗教や宗派に関係なく行われるため、宗教的なしきたりに拘らない方に選ばれやすい傾向があります。
墓石を用いず、遺骨を粉末化して散布し、樹木や草花を墓標として自然との調和を目指すという意味で「自然葬」と一般的には呼ばれますが、手続きや扱いは伝統的なお墓と同じため、墓地として認められた場所でのみ可能です。
従来的なお墓の目的は子々孫々と繋いで行くことにあり、樹木葬の目的は美しい草花や自然のなかで眠ることでしょう。墓石が必要ない樹木葬では、費用も安い傾向にあります。
しかしながら、墓石が建つ従来のお墓参りの感覚でお参りに行くと、お線香やお花、食べ物を供える行為が禁止されている、雑草が生い茂っている、野生動物に荒らされているなど「お墓参りができなかった」と後悔する樹木葬トラブルもあります。
海洋散骨とは、お墓を作らず亡くなった人のお骨を海へ撒くことです。海へお骨を撒くといっても、そのまま撒くわけではなく「粉骨」といって粉末状に加工したうえで行うことが一般的です。
従前のお墓という選択肢だけでなく、さまざまな方法が提供されるようになったことも海洋散骨が注目される理由の一つでしょう。先祖代々のお墓がないような人は家族が亡くなったときにお墓の購入を検討しなくてはいけません。
しかし、海洋散骨であればお墓を購入する必要はないため、経済的な負担は軽くなります。また、本人の意向で生前に海洋散骨を選ぶということも可能です。自分の骨を大海へ還すことで自然と一体となれるのではと考える人もいます。
「継承者が居ない」「お墓の管理が負担になった」などの理由で、墓じまいをした後には、お骨またはお骨が還ったであろうその場の土を収集して、自身での管理を必要としない先へ移すという行為が一般的に行われます。最近は寺院以外でも石材店や葬儀業者の手によって、先に述べた通り樹木葬や散骨に代表される様々な自然葬の形が見受けられます。
一般的なお墓は、先祖代々引き継いだ墓石があるはずです。一方で自然葬はいずれ自然に還り”しるし”がなくなるため、基本的には跡継ぎを必要としませんが良いことばかりではありません。自然葬は墓石がないため、従来のお墓参りの感覚で行くと、「手を合わせる所がない」「お線香やお花、食べ物を供える行為が禁止されている」「雑草が生い茂っている、野生動物に荒らされている」と後悔することもあります。また、遺骨をすべて自然葬してしまうと、基本的に回収は不可能です。
家族や親族のなかには、「一般的な供養をしたい」「遺骨をそばに置いておきたい」と考える方がいるかも知れません。あとからトラブルに発展する危険性があるため、簡単で安価といった安易な考えだけで進めるのではなく慎重に検討する必要があります
お墓を持たない選択肢には、樹木葬の他にも永代供養墓・納骨堂がなどがあります。どれもお墓を建てる費用に比べ安価なため、金銭的な選択肢で迷う方もいらっしゃると思いますが、それぞれには違いがあります。
永代供養墓は最初から不特定多数のお骨と一緒に、屋外のひとつのスペースにまとめて
埋葬される「合祀・ごうし」という形を取る供養の方法です。
納骨堂は希望する単位で個別スペースにお骨を収蔵できる屋内の施設です。契約した一定期間はお骨を個別に安置し、契約した期間が過ぎると永代供養墓(合祀墓)に合祀されるのが一般的です。
当寺でお骨を預かる場合には、永代供養墓と納骨堂それぞれの良い所を取ってお預かりしています。即ち、他の遺骨と合葬せず一定の期間は家族単位もしくは個別にお預かりすることにしており、50回忌を迎えた後に合祀することになります。この考え方は、各家でお墓を持つ場合と同じ考えで、当寺で預かる費用の目安は、20万円~30万円です。
墓じまいを検討している方は、お墓や故人のお骨を粗末に扱っていいと思っている訳ではないでしょう。むしろ、形は違えども放っておく訳には行かないと考えているはずです。
先ずはもう一度、お身内にお墓を継いで墓守を続けられる人が居ないか確認してください。どうしても居ない場合には、そのままお墓を放置して荒れ果てさせてしまうよりかは、墓じまいして、お骨は永代供養にする必要があります。永代供養は家族に代わってお骨を管理・供養する仕組みです。
現代では様々な理由でご先祖さまのお祀り・お墓の管理が難しくなりつつあります。そのような方に代わって寺院が預かり、永代に渡って全ての管理を行うことを永代供養と言います。予算なども考えて、納得できる供養の方法を考えましょう。
ご先祖さまのこと、将来へのお悩みや疑問があれば、檀家の有無は問いません、お気軽に西泉寺の住職にお尋ねください。
高野山真言宗 西泉寺
住職 三宅一弘